女性解放問題

アメリカから始まった「ウィメンズ・リブ(女性解放)」の運動は、やがて日本にも広まっていきました。


フリー・エディターで、時間のやりくりがつけやすかったわたしの友人T子は、当然のようにリブ運動に加わっていきました。


ひと口に「ウーマン・リブ」といっても、さまざまな個人やグループがあって、主張する重点もかなりの違いがあります。


たとえば「家庭の主婦」という存在そのものを否定する人もいれば、「主婦労働の価値」を強調する人もいます。


ラジカルなグループでは、「主人」という言葉は男尊女卑の産物だからと拒否し、「連れ合い」といった表現に固執するといった傾向も示しました。


そうしたさまざまな流れのなかでT子は、自称「中年リブ」「実務派リブ」であり、ラジカルなグループには入らなかったのですが、家族関係の法律を学ぶために大学の授業を聴講したり、「性教育」をテーマとする北欧視察団に加わるなど、新たな専門能力を身につけるための努力を続けました。


その結果、リブ運動の仲間が共著でつくったいくつかの本にも執筆するようになります。


そのうち、彼女の関心は次第に「女性の老後生活の経済的諸問題・・・年金・税金・法律など」に集中していきました。


シングルライフをしていると税制上も不利だというのがきっかけで、高齢離婚のケースでは公的年金がほとんどもらえなくなるといった制度(昭和61年から改正されましたが)への不満が、彼女の研究心を刺激したようです。


その成果は、のちに、ほぼ全文が彼女の執筆になる2冊の単行本にまとめられています。


派遣 千葉で働く女性たちならこの本のことは知っているのではないでしょうか。

資本主義社会 8

このような東洋資本主義の進展は、認めたくないことですが、「考えられない」ことではありません。


それは公務員のふところ具合の観察によるよりもむしろ、一般常識から言えることです。


事実、公務員のふところ具合は、ここ数年来この方向にたえず進んできました。


公務員の資金源は、特別手当、利益分配、副次的収入、あるいはあからさまな収賄といったように国によってさまざまですが、そのいずれをみても、公認の公的俸給がその相対的な比重をしだいに減じています。


強調しておきたいのは、高い地位の正職員の場合には公的俸給の比重がなおさら低い、ということです。


このような進展が公務員のすべての団体に波及するということは、困難であり、ほとんどありそうにないように思われます。


国家公務員が平等という長い伝統をもっている諸国では、公務員の非公式な裏の所得格差において、またさらには公務員採用の変更において、買収が果たす役割はごく限られたものとなるにちがいないでしょう。


それゆえ無政府主義的本質をもった熱狂的な教条主義に陥るのでないかぎり、つぎのような考えを受け入れることはきわめてむずかしいのです。


今日資本主義が勝利し開花しているのは、権力者(ごく小さな権力者であろうとも)がなすことのできるあらゆる買収を資本主義のうちに組み入れているためである、という考えがそれです。


発展水準が明らかとなるにつれて、買収はしだいに積極的な効果をなくしていきます。


買収は投資を強化するというよりもむしろ、投資をゆがめます。


買収は所得を増やすというよりもむしろ、所得の税金逃れをはぐくむ。買収は企業と国家の指導者を効率的な人間にするというよりもむしろ、かれらの精神と意識をねじまげるのです。


もしも買収のこの種の策略への訴えが必然的に生み出すさまざまな諸悪を罰することがなければ、買収が資本主義の機構にドーピング注入することにけっしてならないという恐れがきわめて強いのです。

資本主義社会 7

わずかばかりのお金とひきかえに、規則通りの時間よりも遅くに門を閉める美術館の門衛であれば、かれの日常生活の改善のためにそのお金を使うことができるでしょう。


しかし、貢ぎ物を受け取って別の資材よりもある特定の資材の購入をひいきする大臣の場合には、あやしげな国債を購入することによって成長のための資金調達に参加することはできないでしょう。


かれは現存の数多くのタックスヘイブンの1つである、この種の収入の「出所を用心してわからないように」せざるをえないだけに、なおさら成長のための資金調達に参加することができないのです。


したがって買収の「金銭的な」ドーピング注入は、それらが効果を発揮しないうちに、自然に消滅するにちがいありません。


金融市場を世界化するのに大いに役立った無国籍のお金の蓄積を除いては、そうでしょう。


買収が公務員の職業能力をめざましく引き上げるという期待は、まったく根拠を欠いているように思われます。


低い軌道の長期にわたる慣行は、公的行政の関係者を容易には再審しがたい地位につけました。


ただし、まったく東洋的な資本主義が到来するものと仮定した場合には、話は別です。


その場合には、買収による収益が所得の主要部分を占め、公的な俸給は副次的なものとなるでしょう。

資本主義社会 6

これらの事例はあまり教訓にはなりません。


というのも、われわれの経済においては買収がこの種の投資活動を生み出すことはほとんどありえないからです。


たとえわれわれがあちこちでいくつかの不意の投資決定に直面するのを避けられないとしても、教育水準のゆえに、そしてとりわけ現存の管理手続きのゆえに、発展途上のあらゆる経済(ソ連、そしておそらく明
日のロシアをも含めて)において見られるような派手な買収慣行は例外なく妨げられるでしょう。


発展途上の経済を除けば、買収が投資に影響を及ぼすことはほとんどないと思われます。


それゆえ、買収の所得を経済発展の資金調達に振り向けたいという期待が裏切られたとしても、それは将来を占うのに何の役割も果たすことはないのです。


実際、買収の所得がどこでつくり出されるにせよ、およそあらゆる買収の所得に対して同じような非難が浴びせかけられます。


買収の所得はおおっぴらにすることが難しく、その用途はかぎられています。


買収の所得は相当な額であり、しかも権力ヒエラルキーの上層部にあたえられるだけに、なおさらその用途はかぎられているのです。

資本主義社会 5

純粋に経済的な次元では、買収の増大がすでに発展を遂げた諸国の経済に対して、市場のお追従者が想定するような、一貫して好ましい効果を引き起こすことはほとんどありえないように思われます。


かれらと同じ根をもった失望が同じ次元で生ずるであろうことはほとんど間違いないでしょう。


自由主義者は、計画化の理論家がついこの間犯したのと同じ罪をさらに悪いことに、同じような判断力の欠如を今日犯しています。


つまりかれらは、われわれの合理的な感性を過大に評価しすぎている、というよりもむしろ、われわれの欲望と感情が抑えがたいほどに強力であることを過小評価しすぎているのです。


この場合で言えば、権力とその補完的な代替物たる貨幣に対する「意思決定」のとどまるところを知らない貧欲さがそれです。


したがって、わが国のような発展水準に達した諸国経済において、買収が投資率を高め、投資内容を改善してくれるかどうかは疑問です。


そのうえ、過度に集権化されたすべての経済社会主義(経済、自由主義経済、混合経済を問わず)の最近の進展を見るかぎり、この期待は根拠を見いだせないでしょう。


政治的権力の集中化は、いたるところでこのうえなく合理的な意思決定をもたらしました。


ただし、それは買収の金銭的な利益という唯一の意味においてです。


あたかも買収が虚偽の投資を生み出すインフレの能力を波及させたかのようにして、さまざまな浪費が累積したのです。


経済発展が進むにつれて、資本形成の諸条件が全面的に進展しました。


つまり、公共経済における投資は合理化されたが、他方で買収によって育まれる非公式の経済においては、投資内容が熟慮されたあらゆる規範(ただし高収入が得られる要職の比重を決定する規範は別ですが)を逃れていきました。

資本主義社会 4

ここ10年から20年のあいだに買収が突然に急増するにつれて、つぎのような問題が提起されねばならなくなるでしょう。


諸国家がこの動きをくいとめるだけの力をもたないことがこれまで明白な事実でしたし、いまもなお依然として明白であるだけに、なおさらです。


つまり真の問題は、北方のもやのなかで生まれた社会的機能様式よりも南国的で、かつ東洋的なこの社会的機能様式をわれわれが決定的に選択することになるのか。


それとも、成功と持続を保証された資本主義が買収にこれほど全面的に道を譲ってしまうのを拒むことになるのか・・・という問題です。


この問題に答えるためには、買収のドーピングが可能にした経済力の増大についての牧歌的な図表を検討した後に、この種の薬物が資本主義の機構にあたえる不可避的な損害を同じように注意深く考察しなければなりません。

資本主義社会 3

すでに特権化されているいくつかの空間は、資本主義のこのような社会的管理様式がまったく可能です。


そして実際に、民主主義的に機能するということを示しています。


買収の利益はその分配が不平等でないのと同じように、その徴収もまた不平等ではないからです。


買収の利益の徴収は地方の納税者からおこなわれ、土地資産と不動産、さらには所得に対する一種の比例課税となっています。


この比例課税は、地方のレベルから不平等を大幅に修正します。


買収の所得分配は、各人が、あるいはほとんどすべての者がその分け前にあずかるように気を配ります。


この分け前はとりわけ雇用という形態をとります。


この雇用は、関連する諸個人を永続的な社会的小宇宙へとつなぎとめることを保証します。


カルヴァンやルターが生み出した権力哲学と社会的統合のまったく相対的な魅力を味わった後に、資本主義はいまや、固有な都市やほとんどの国家先進諸国に近い発展水準に達するために、資本主義を標榜する国家を、資本主義にあたえる手本に導かれています。


このことをどうして喜びとして考えてはいけないのか、まちがいなくそう考えるべきなのです。

資本主義社会 2

ドーピングの製品は、薬剤に似ているとさえ言えます。


公共セクターの激変はあきらかに買収にとって一層好ましいからです。


なによりもまず、人びとの考え方が変わります。


つまり、あまりにも高くつくイデオロギi的視点を放棄するという考え方の変化が、それでしょう。


公務員、あるいは公務員ほどではないですが、ほとんどの人びとにとって著名な曲芸師である知識人は、いったん物笑いの種になるとなかなか立ち直れませんが、たとえそうであってもやはりこのイデオロギー的視点を放棄するのです。


とりわけ資金調達条件の変化は、公務員の知的・技術的な地位の向上を保証してくれます。


公務員は買収の所得のなかに、みずからの職歴を事前に長期にわたって研究する誘因を見いだし、ついでかれらの昇進における在職年数を短縮させようとする誘因を見いだします。


開発途上国にならって、これらの買収の所得が一般化し、だれにとってもいわゆる「非公式」収入と支出になっていさえすれば、先進諸国は多くの弊害高すぎる租税圧力、支持しがたい不平等から生ずる社会的緊張。


また、時間とエネルギーの浪費を引き起こす行政調査といったもの対する治療策を買収の所得に見いだすでしょう。

資本主義社会

商品経済が全面的に促進されるとしたら、それは買収の本格的な市場の発展によってのみでしょう。


これまでは不確実性のために、いくつかの意思決定が思うようにはかどらず、それらの意思決定が引き伸ばされてきました。


しかし、買収の客観的な価格の出現は、この不確実性を減らし、さらにはそれをなくしてしまいます。


要するに、買収は計画と似たような役割を果たすのです。


それは投資の重要性を強めます。


投資が長期になればなおさらでしょう。


買収のこの費用は、買収者相互の競争を激化させ、そのために買収者はより有利な個人的・集団的選択を求めざるをえなくなるのです。


それゆえ、このような買収契約から生ずる所得についてわれわれが期待すべきことは、この所得が市場の拡張の全面的な達成に寄与するであろう、ということです。


私的セクターにおいては、買収の増大がすでに恵まれている社会階層(企業経営者、政治家など)の所得を増やし、したがって貯蓄率を高めます。


また買収の増大は、それ以外の諸企業にとって有害な金利の高騰を引き起こさずに、追加的投資の資金調達を可能にします。


そうすれば、ドーピングの製品はただになり、危険がなくなるはずです。

ちょっと気になる「エチオピア」その6

この地域は世界で最も貧しい地域の一つであり、一人当たり国民総生産は、エチオピア約一〇〇ドル、ソマリア約五〇ドルで、日本の四万ドルに比較すると、四〇〇分の一以下である。

この地域へは先進諸国が食糧援助を行っているが、政情が不安定なこと、輸送ルートが確立されていないことなどから、飢餓の現地に十分な食糧が届かず、多くの人びとが栄養失調となっている。

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